釣り場選びに重要!日本の漁業権の仕組みと注意点を詳しく解説

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漁業権とは

漁業権は、「一定の水面において特定の漁業を一定の期間排他的に営む権利」であり、これを簡単に言い換えると「漁業権を持つ者は独占的に一定の場所で漁ができる」となります。

つまり、一般的に漁業権のない釣り人が特定の場所で釣りをする場合、漁業権に抵触する行為はしてはならないという規則となります。

また漁業法195条1項には「漁業権又は組合員行使権を侵害したときは、当該違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。」とあり、ルール違反には刑事罰がある漁業権は”強い権利”である、という事実も注意すべき点です。

釣り人含む遊漁者にとって漁業権がわかりにくいのは「漁業権とは漁業権者のためにあるものなので項目が多岐に渡り、なおかつ遊漁者がルールを読む際には規則にないものを確かめる必要があるから」です。
このページでは、だれでもわかりやすく遊漁者にとって必要な漁業権の知識をまとめました。

漁業権の種別

漁業権は大きく3つに分けられます。

①共同漁業権
対象: 貝類・海藻の採取、刺し網漁、ワカメや海苔の養殖等
特徴: 潮干狩りなどでこの漁業権の対象になることが多いです。

②区画漁業権
対象: 一定の区域において養殖業を営む権利
特徴: 真珠はここに該当します。

③定置漁業権
対象: 大型定置等を営む権利
特徴: 小型の定置は①共同漁業権に適用されます。

さらに①共同漁業権は5つの種類に分けられています。

(1)第一種共同漁業権
定着性の水産動植物の採取を目的とする漁業
(2)第二種共同漁業権
小型の網漁具を固定して営む漁業
(3)第三種共同漁業権
地引網漁業、飼付漁業、つきいそ漁業など
(4)第四種共同漁業権
寄魚、鳥付こぎ釣漁業
(5)第五種共同漁業権
内水面(河川・湖沼)で営む漁業 遊漁者はこの漁業権を購入できる場合がある

また、②区画漁業権も3つの種類に分けられています。

(1)第一種区画漁業権
魚類小割式養殖業、のり・わかめ養殖業、真珠養殖業
(2)第二種区画漁業権
築堤式養殖業など
(3)第三種区画漁業権
地まき式の貝類養殖業

以上が漁業権の分類の説明になります。

わかりやすく図にまとめたので視覚的に確認したい場合は拡大してみてください。

先ほど挙げた漁業権のうち、特に遊漁者に関係があるのは第一種共同漁業権と第五種共同漁業権です。

これら多岐に渡る漁業権の規則を違反するとどうなるのでしょうか。次の段落で漁業権の違反について説明します。

違反事例

令和4年の全国の漁業権警報違反の検挙件数は1,561件(うち海面1,527件、内水面34件)でした。

そのうち漁業者以外の検挙者数は1,329件と漁業関係法令違反のほとんどを占めています。

ソース: 水産庁「密漁を許さない ~水産庁の密漁対策~」
URL: https://www.jfa.maff.go.jp/j/enoki/mitsuryotaisaku.html

次に具体的な検挙事例を見てみましょう。

 高知県奈半利町の海岸で伊勢エビ7匹を密漁したとして、県漁業管理課は12日、いずれも安芸市内の飲食業の男(42)と自営業の男(43)を、県漁業調整規則違反(禁止期間)容疑で地検に書類送検した。

—読売新聞オンライン, 伊勢エビ密漁の男2人、海岸で発見「鍋にして食べるつもりで」
URL: https://www.yomiuri.co.jp/national/20211113-OYT1T50124/

海釣りにおいて特に気を付けたいのが第一種共同漁業権におけるタコとイセエビでしょう。両者とも価格が高く、たまに釣れてしまうなんてこともありますが、1匹でも持ち帰れば検挙対象となるの該当海面である場合は逃がしましょう。

mare scope(マレスコ)で漁業権をチェック!

mare scope(マレスコ)では、安全で楽しい釣りを目標としています。そのモットーを補完する機能の一部として漁業権を表示するレイヤがあります。

以下の段落から使い方を説明します。

漁業権の有無を確認する方法

一般的に採捕が禁止されているタコやイセエビがSNS上で釣果が出ているのはなぜでしょうか?

それは日本全国の沿岸に漁業権が設定されていない海面が存在するからです。

あなたが今いる場所に漁業権が設定されているか、あるいはこれから行く場所の漁業権の有無について、marescope(マレスコ)では確認することができます。

まず、TOPページにある全体マップを開きます。

右上にある地図アイコンをクリック/タップします。

下にある「地図の詳細」から「漁業権」をクリック/タップします。

一定以下の縮尺から漁業権の範囲が出現します。

詳細の確認方法

mare scope(マレスコ)の漁業権表示機能のなかで稀にこのような表示がでることがあります。

「等」の表示によりすべてが表示されないケースです。

この場合、地先名と免許番号を確認します。

その後、水産庁HPより各都道府県のリンク集から該当する地域の共同漁業権を参照します。

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